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ほりおみわ*ココロのネイロ日記

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同い年のうた


一本道 
      友部正人    1972年

ふと後をふり返ると
そこには夕焼けがありました
本当に何年ぶりのこと
そこには夕焼けがありました

あれからどの位たったのか
あれからどの位たったのか

ひとつ足を踏み出すごとに
影は後に伸びていきます
悲しい毒ははるかな海を染め
今日も一日が終ろうとしています
しんせい一箱分の一日を
指でひねってごみ箱の中

僕は今 阿佐ヶ谷の駅に立ち
電車を待っているところ
何もなかった事にしましょうと
今日も日が暮れました
あヽ中央線よ空を飛んで
あの娘の胸に突き刺され

どこへ行くのかこの一本道
西も東もわからない
行けども行けども見知らぬ街で
これが東京というものかしら
たずねてみても誰も答えちゃくれない
だから僕ももう聞かないよ

お銚子のすき間からのぞいてみると
そこには幸せがありました
幸せはホッペタを寄せあって
二人お酒をのんでました
その時月が話しかけます
もうすぐ夜が明けますよ





わたしが生まれた年に発表されたこのうたは
わたしが生きてきて37年目にやっと出会うことができた

わたしは東京で暮らしたこともないし
わたしはしんせいというタバコの味も知らない

だけど
このうたの切なさとやさしさはわかるような気がする

すべて分かるなんておこがましいから言えない

だけど
目を閉じて聴いていても涙が出てくるのです
by miwaneilo | 2009-12-15 23:02